鍋で白子を堪能した夜
冬の鍋で白子をたっぷり食べた。あのとろっとした濃厚な舌触り、ポン酢との相性、たまらない。気づいたら一人で結構な量を食べていた。満足して横になってから、なんとなくスマホで白子について調べた。そこで出てきた数字に固まった。
白子はプリン体が食材の中でもトップクラスに多い。食べすぎると痛風になる可能性がある。あのとろける珍味の正体は、栄養豊富な一方で、注意が必要な食材だった。
白子のプリン体は100gあたり最大559mg
白子には100gあたり559.8mgのプリン体が含まれている。これは食材の中でもかなり多くのプリン体を含んでいると言える。
559mg。1日の摂取上限が400mgだから、100g食べただけで上限を大きく超える。白子100gは、鍋に入れる量としてはそれほど多くない。一人前でも超える可能性がある。これまで取り上げた煮干しや鶏胸肉のプリン体も多かったけど、白子はさらに上をいく。珍味の王様であると同時に、プリン体の王様でもある。
白子には体に良い栄養素がたくさん含まれているが過剰摂取すると体に悪いプリン体やコレステロールも多く含まれているので注意が必要。白子の食べ過ぎはプリン体の影響で痛風の原因になったりコレステロール値が上がり動脈硬化などになる可能性がある。プリン体の1日の摂取制限量は400mgだが白子には100gあたり300mgも含まれている。
数値には魚の種類で幅があって、300mgから559mgとされている。タラの白子、フグの白子、アンコウの白子で含有量が違う。でもどの白子も高プリン体食品であることに変わりはない。
プリン体が痛風になる仕組み
プリン体は分解されて尿酸となるが摂り過ぎると尿酸が増えすぎ結晶化して関節や組織にたまる。尿酸が結晶化したものを白血球が攻撃したときの痛みが痛風となる。
プリン体が尿酸になって、溜まりすぎると結晶化して、それを免疫が攻撃して激痛が起きる。これが痛風。白子を食べる季節は冬で、忘年会や鍋パーティーでお酒も一緒に飲むことが多い。アルコールも尿酸値を上げるから、白子とお酒の組み合わせは尿酸値にとって最悪のコンビになる。
でも痛風の人も絶対食べちゃダメではないという話
プリン体が多いと聞くと、尿酸値が高い人は一生食べられないのかと思いがちだけど、そうではない。
痛風になったり尿酸値が高くなったりしたらフグの白子のようなプリン体が多いものを絶対に食べてはいけないと思い込んでいないか。確かにプリン体は尿酸の材料になるが痛風になった人や尿酸値が高い人は絶対に白子を食べてはいけないわけではない。
膠原病リウマチ痛風センターの専門家が、絶対禁止ではないと言っている。食事から来る尿酸は全体の一部で、量とタイミングをコントロールすれば食べられる。
食事由来の尿酸は全体の20%程度。いくら食事制限をしても残り80%の内因性産生やアルコール・果糖の影響が大きい場合は効果が限定的。
意外なことに、尿酸の80%は体内で作られていて、食事由来は20%程度。だから白子だけを徹底的に避けても、劇的に尿酸値が下がるわけではない。もちろん食べすぎは良くないけど、一度の鍋で適量食べるくらいなら、過度に怖がる必要はない。アルコールの量や全体の生活習慣のほうが影響が大きい。
白子はプリン体以外の栄養がすごい
怖い話だけじゃなくて、白子には体にいい栄養が詰まっている。
白子はタンパク質が豊富に含まれているわりにカロリーが抑え目なヘルシーな食材。タンパク質の他にもビタミンが豊富に含まれている。ビタミンDの含有量は食材の中でもかなり多い。
高タンパクで低カロリー。ビタミンDが豊富で、カルシウムの吸収を助ける。さらに白子の核酸成分は細胞の新陳代謝に関わるとされている。あのとろける食感の中に、体に必要な栄養がしっかり入っている。プリン体さえ気をつければ、栄養価の高い優れた食材。
カリウムは尿の排出を促して体温を下げる効果もある。ただし過剰摂取にも注意が必要でカリウムは大部分が尿中に排泄されるが腎不全などで腎機能が低下するとうまく排泄されなくなり高カリウム血症になる。
カリウムも豊富で、むくみ対策になる。ただし腎機能が低下している人は注意が必要。健康な人には恩恵が大きいけど、腎臓に持病がある人は量を考える、という条件付き。
この話が会話のタネになる理由
白子は冬の鍋や居酒屋の珍味として出てくる。好き嫌いがはっきり分かれる食材でもあって、話題にしやすい。
珍味なのにプリン体トップクラスという意外性
白子っておいしいけど、プリン体が食材の中でトップクラスらしいよ、という話を鍋を囲んでいるときに出すと、え、そうなの、という反応になる。559mgという数字を出すと、上限400mgを超えてる、というインパクトが伝わる。でも痛風の人も絶対ダメじゃない、尿酸の8割は体内で作られる、という話を続けると、怖がらせっぱなしにならずに着地する。
白子が好きか嫌いかで盛り上がる
白子は見た目と食感で好き嫌いが激しく分かれる食材。あのとろっとした感じが好きな人と、見た目が無理な人に分かれる。なんで好きなの、なんで無理なの、という話になると、それぞれの食の感覚が出てくる。エビの尻尾や紅生姜の好き嫌いの話と同じで、珍味系の好き嫌いはその人らしさが出る。プリン体の雑学から始まって、最終的に珍味の好みの話になる、雑談として広がりやすい展開になる。

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