会社のトイレで歯磨きしている同僚を見て、何を感じたか
昼休み、トイレに入ったら洗面台の前に同僚が立って歯磨きしていた。一瞬、え、と思った。なぜかはうまく言えない。汚いとか失礼とかじゃなくて、なんか、ちょっと…という感じ。その人が嫌いなわけでもない。ただその場の空気が微妙になった。
帰り際に別の同僚にその話をしたら、私もそれ気になってたんだよね、という反応が返ってきた。でも理由を聞くと、ふたりともうまく説明できない。気持ち悪いとは思うけど、なぜかはわからない。その曖昧さがずっと残っていた。
トイレで歯磨きをやめてほしいと思う人が65%というデータ
アンケートでトイレでの歯磨きをやめてほしいと回答した人が65%に上ったという調査結果がある。3人に2人が不快に感じている。でもその不快感を口に出せる人は少ない。指摘するのが難しい行為のひとつで、モヤモヤしたまま黙っている人が多い。
不快に感じる理由は感覚的なものだけじゃない。衛生面の問題が実際にある。
水を流すたびに菌が2メートル飛ぶという事実
トイレ空間では水洗時に発生する飛沫によって細菌やウイルスが空気中に舞い上がり、最大で2メートル程度まで飛散することが科学的に証明されている。歯磨きという口腔内に直接関わる行為をこの環境で行うことは感染症リスクを高める可能性がある。特に歯ブラシを洗面台に置いたりコップを使用したりする際に、これらの飛沫が付着する危険性は無視できない。
2メートル。トイレの個室からの距離として考えると、洗面台はその範囲内に収まることが多い。誰かが水を流すたびに、目に見えない飛沫が漂う空間で、歯ブラシを口に入れている。気持ち悪いという感覚は、科学的にも根拠があった。
トイレと洗面所が一緒の間取りに汚いというイメージを持つ方が多いのは、トイレの水を流した際に菌が飛散するリスクがあるためで、洗面台に置かれた歯ブラシやタオルへの影響が懸念される。
1Kのアパートで洗面台がトイレと同じ空間にある間取り、あれが不人気な理由もここに絡んでいる。毎日トイレを使うたびに、歯ブラシが同じ空間に置かれている。知っていると、歯ブラシのしまい方を変えたくなる話。
一方でランチ後の歯磨きがマナーだと思っている人もいる
トイレで歯磨きをしている人の言い分も聞く必要がある。気持ち悪いと言っている側だけが正しいわけじゃない。
食後の歯磨きを習慣にしている人にとって、トイレは唯一の場所
職場に洗面台がトイレしかない、という環境は多い。給湯室の流しで歯磨きをすると、今度はそっちがマナー違反と言われる。食後の口臭が気になる、虫歯予防のために磨きたい、という人にとって、トイレの洗面台以外に選択肢がない場合がある。
気持ち悪いと思っている側から見ると、やめてほしい。やっている本人からすると、やめる場所がない。この構造が解消されない限り、どちらかが我慢し続けることになる。正解が一方にだけある話じゃない。
駅やデパートのトイレでの歯磨きはどうなのか
旅行中や外出先でトイレを使う場面では、歯磨きがより自然に行われている。空港やサービスエリアのトイレは歯磨きを想定した設計になっているものもある。一方で飲食店や小規模なカフェのトイレで歯磨きをされると、使う側も店側も困惑する。場所によって受け入れられ方が全然違う。
蓋を閉めてから流す、という行動の重要性
菌の飛散を完全に防ぐことはできないけど、大幅に減らせる方法がある。
フタを閉めて流すだけで飛沫が激減する
トイレのふたを閉めてから水を流すようにすれば、便器内から空気中に舞い上がる菌の量を大幅に減らせる。
これ、知っている人が意外と少ない。フタを閉めないまま流すと、飛沫が2メートル飛ぶ。フタを閉めてから流すと、その飛沫が便器内に抑えられる。歯磨きをトイレでするかどうかという問題の前に、フタを閉めて流すという習慣だけで衛生リスクがかなり変わる。
トイレに歯ブラシを置いている家庭でも、この習慣だけで状況が変わる。知っていると行動に直結する話。
この話が職場や家族との会話で使えるシーン
トイレを使わない人はいない。公衆トイレを使ったことがない人もほぼいない。全員が当事者になれる話題で、しかも意見が分かれる。
気持ち悪いの理由がわかると、会話の深さが変わる
トイレで歯磨きが気持ち悪いって感じる?という問いを誰かに投げると、感じる感じないでまず分かれる。感じる人にその理由を聞くと、なんとなく、という答えが多い。そこに菌が2メートル飛ぶという話を出すと、なんとなくの感覚に科学的な根拠がついた、という体験になる。
感じない人に同じ話をすると、そうなのか、という反応になる。感覚の差がある中で同じ情報を共有すると、お互いの価値観の違いが出てくる。その差がそのまま話の続きになる。
フタを閉めて流す習慣、やってる?という問いが使いやすい
フタを閉めてから流すと飛沫が激減する、という話は知っていた人と知らなかった人に分かれる。知らなかった人は今日から変えられる。行動が変わる話題は記憶に残りやすい。しかも家族や職場の人に教えると、実用的な情報として喜ばれる可能性がある。気持ち悪いという話から始まって、実は衛生の改善策になった、という展開が会話として完結している。

コメント