牛丼に紅生姜を山盛りにしていた頃の話
吉野家に入るたびに、紅生姜をどんぶりの上に乗せすぎて、気づいたら牛肉より紅生姜のほうが多いんじゃないかという状態になっていた時期がある。あの赤い塊、なんか食べれば食べるほど欲しくなるんだよね。しょっぱくて、ピリッとして、脂っこい牛丼と喧嘩するようで絶妙に合う。止まらない(笑)。
でもある日、食べ終わったあとに妙に喉が渇いて、顔がなんかむくんでる気がした。翌朝も顔がぼってりしてる。あれ、これって紅生姜のせいじゃ…と思って調べたら、想像以上に塩分が多くてちょっと引いた。
紅生姜100gに塩分7g以上という現実
数字で見ると驚く。紅生姜の塩分は100gあたり7.1g含まれている。厚生労働省が推奨する1日の食塩摂取量は男性で8g未満、女性で7g未満。WHOの基準だと成人の減塩目標は1日5g。
つまり紅生姜を100g食べたら、それだけで1日分の塩分をほぼ超える。牛丼自体にも塩分はあって、吉野家の並盛で食塩量は約2.7g。紅生姜を山盛りにしていたあの頃、1食で1日の塩分量を軽くオーバーしていたことになる。
紅生姜の適量は5g程度と言われていて、10gあたりの塩分は0.7g。他の食事でも塩分を摂ることを考えると、牛丼屋でひとつかみ取ってたあの量、明らかに5gを超えていた。
食べすぎたあとに起きること
塩分を摂りすぎると体内に水分がたまりやすくなり、むくみや高血圧の原因になる。胃や腸が敏感な人は、酸味や添加物の刺激で腹痛や下痢、胸やけなどの消化器症状が出ることもある。
さらに厄介なのが生姜の辛み成分。ショウガオールは胃酸の分泌を促進して消化を助けるが、過剰に摂取すると胃酸の分泌が過剰になり、胃が荒れたり胃酸逆流を引き起こすことがある。食べてる最中はあのピリッとした感覚が快感なのに、食べすぎると裏切られる。
でも紅生姜って、実は体にいい話もある
食べすぎがよくないのは事実として、紅生姜そのものは悪者じゃない。むしろ適量なら体が喜ぶ要素がちゃんとある。
生姜の3大成分を知ると話が変わる
紅しょうがは生姜を梅酢に漬け込んだもので、生姜の健康効果に梅酢の作用がプラスされているのが特徴。ジンゲロールが胃腸の働きを促進し、ショウガオールが体を温め、梅酢のクエン酸がエネルギー代謝を助ける。
冬場に体が芯から冷えてるとき、生姜湯を飲んでじわっと温まる感覚があるでしょ。あれがショウガオールの仕事。紅生姜にも同じ成分が入っていて、体を内側からじわじわと温めてくれる。体を温めて血流が良くなると代謝も上がる。焼きそばやたこ焼きの横に紅生姜が添えられているのは、料理の色のためだけじゃなく、脂っこいものと一緒に食べることで理にかなっているらしい。
カロリーはほぼゼロに近い、という意外な事実
太るのが心配で紅生姜を遠ざけている人がいたら、これは朗報。紅生姜はカロリーが極めて低いため、脂肪として蓄積する可能性はほぼない。たくさん食べても太る心配はほぼなく、ダイエット中でも適量を楽しめる。
問題はカロリーじゃなくて塩分と添加物。この2点に絞って考えると、付き合い方がすっきりする。
あの赤い色の正体、聞かれたことある?
紅生姜の鮮やかな赤、自然の色だと思っていた人けっこういる。でも実際は違う。スーパーなどで売られているものは、クエン酸や食紅、保存料などが添加されている。
本来の作り方は梅酢に漬けるだけで、梅の色素が自然に移って薄いピンク色になる。あのどぎつい赤は添加物の色。手作りしてみると、市販品との色の差に驚く。
牛丼屋の紅生姜はフリー補充という謎システム
牛丼チェーンのカウンターに置いてある紅生姜、無料で食べ放題というシステムになっているのは、考えてみると不思議。吉野家でもすき家でも松屋でも、どんぶりに山盛りにしようが誰も止めない。
塩分を含む食品を食べ放題にしている飲食店、他にはあまり思い当たらない。塩分過多になりやすいとわかっていながら取り放題の設計、これがそのまま会話のタネになる。なんでやってるんだろうという疑問を誰かに投げると、けっこう盛り上がる。
紅生姜の話が食卓で会話になる理由
食べ物の好き嫌いって、思ってる以上にその人が出る。紅生姜が好きな人と嫌いな人の間には、けっこうはっきりした傾向がある気がする。好きな人はだいたい味の濃いものが好きで、外食好きで、少し感覚が大雑把だったりする。嫌いな人は繊細な味覚の持ち主だったり、辛いものが苦手だったり。
もちろん例外だらけだけど、こういう仮説を会話の中で出してみると面白い。あなたは紅生姜好き?と聞くだけで、そこから相手の食の傾向が見えてくる。好きと嫌いの人が混ざってる場だと、なんで好きなの?という流れになって、気づいたらそれぞれの食の記憶の話になってる。
紅生姜と仲良くなった意外なきっかけの話
子どもの頃は紅生姜が苦手だった。あの酸っぱい辛さ、色のどぎつさ、大人の食べ物という感じがして。初めてちゃんと食べたのが、屋台の焼きそばに乗ってたやつ。外で食べると何でもうまく感じる魔法があって、あの日から急に好きになった。
こういう話、実は多い。嫌いだったものが好きになった瞬間の記憶って、けっこう具体的に覚えているもので、誰に聞いても話が出てくる。紅生姜でもパクチーでもレバーでも、食べ物の苦手克服エピソードは雑談の素材として安定して使える。
ガリとの違いを知っていると一段階話が深くなる
紅生姜と似ているようで全然違うのがガリ。寿司屋で出てくる薄いやつ。どちらも生姜を漬けたものだけど、作り方も使うタイミングも異なる。紅生姜は梅酢や酢で漬けた細切り生姜で、ガリは甘酢に漬けた薄切り生姜。ガリは寿司のネタとネタの間に口の中をリセットするために食べる。
この違いを知ってると、寿司屋でガリをバクバク食べている人に知ってた?と聞ける。ガリにも同じく塩分や添加物の問題はあって、食べすぎはあまり体に優しくない。でもそこまで罪悪感を感じるほどでもない。その塩梅を知っているだけで、食の話に深みが出る。

コメント