タピオカブームの頃、毎日のように飲んでいた時期がある
2019年前後のあの熱狂、覚えている人はいると思う。タピオカミルクティーの列に並んで、ストローで黒い粒をずるずると吸い込む。あのもちもちした食感がやみつきになって、週に3回飲んでいた時期があった。胃が重いな、という感覚はあったけど、まさかタピオカのせいだとは思わなかった。
その後に知ったのが、中国の女の子の話。
体内から100粒のタピオカが見つかった事例
北京在住の女の子が腹痛を訴えて病院に運ばれると体内に100粒ものタピオカが付着していた。本人は5日前に1杯のタピオカドリンクしか飲んでいないと話していたが医師によると長期間にわたってタピオカを大量摂取した疑いがある。
100粒が体内にそのまま残っていた。消化されずに。普通に飲み込んでいた黒い粒が、胃や腸の中に積み上がっていた。この話を聞いたとき、ちょっと背筋が伸びた。毎日のように飲んでいたあの頃の胃の重さ、あれは何だったんだろうという気持ちになった。
タピオカがなぜ消化されにくいのか
タピオカは消化されにくい食べ物。消化されにくい食べ物であるためしっかりとよく噛んで飲み込むようにする。よく噛まずに飲んでしまうと消化不良を引き起こす。また食べ過ぎても消化不良を引き起こすので適量に止める。
問題はストローで吸い込む構造にある。噛まずに飲み込んでいる人がかなり多い。口に入った瞬間にそのまま喉に流れていくスタイルで飲むと、でんぷんの塊をそのまま胃に送り込んでいることになる。消化のスタートである咀嚼がゼロ。胃が処理しきれずに残る。
タピオカはキャッサバと呼ばれる芋が原材料。キャッサバの根茎からでんぷんを取り出し水で溶き加熱し粒状にして乾かすとタピオカパールができる。
でんぷんの粒。もちもちした食感の正体は加熱で糊化したでんぷんで、その弾力が消化しにくさの原因でもある。同じでんぷんでも、片栗粉を溶かしてとろみをつけた状態なら消化しやすい。粒のまま飲み込まれると、消化酵素が表面にしかアクセスできない。
タピオカの黒い色の正体を知っている人が少ない
あの黒さ、最初に見たとき何の色かわからなかった。
デフォルトは白で、黒はカラメルで着色したもの
タピオカは白と黒があるが原料が違うわけではなくデフォルトが白。イカスミやカラメルで着色したのが黒いタピオカ。
白いタピオカに色をつけると黒くなる。カラメルで着色している店がほとんどで、イカスミを使っている店もある。甲殻アレルギーがある人はイカスミの着色かどうか確認したほうがいい、という話がここから出てくる。見た目の黒さに謎物質感があって避けていた人がいたとすれば、ただの芋のでんぷんだという事実で少し近づけるかもしれない。
栄養素がほぼない、という話
タピオカにするまでの過程で食物繊維は流れお芋由来なだけあって栄養素はほぼない。炭水化物100パーセント。
キャッサバという芋から作るのに、その芋の栄養がほぼ残っていない。でんぷんだけを抽出して粒にする過程で、食物繊維もビタミンも流れ出てしまう。残るのは炭水化物だけ。カロリーはあるのに栄養がない、という食品。ジュースの砂糖と合わさって、カロリーだけが積み重なる。
胃もたれの原因はタピオカよりドリンクの甘さだった話
タピオカを飲んで胃がもたれる、という体験をした人は多い。でも原因をタピオカ本体だと思っている人がほとんどで、実はドリンクの甘さが大きく関係している。
タピオカドリンクを飲んで胃もたれしてしまう原因はタピオカにあるのかと思い調べると甘いドリンクの方にあるようだ。
高糖度のミルクティーや果汁ドリンクを大量に飲むと、消化器官に負荷がかかる。そこにタピオカの消化しにくい粒が加わる。ダブルパンチで胃が重くなる。タピオカだけが悪者じゃない、という見方をすると、甘さを控えたオーダーや無糖ベースにすることで胃への負担が変わる。
タピオカを摂取する時にはドリンクと一緒に食べる場合が多く体を冷やしやすくなる。ドリンクに含まれる砂糖にも体を冷やす作用があるため飲み過ぎは腹痛や下痢を引き起こす可能性がある。
冷たいドリンクで胃腸を冷やす。砂糖で消化器官に負荷をかける。タピオカが消化されにくい。この三重苦が重なって体調が崩れる、という構造がある。ひとつでも変えると結果が変わる。
タピオカブームが終わった理由を振り返ると話になる
2019年のあのブーム、今は落ち着いている。なぜ急に冷めたのか。
ブームが去った後に残ったもの
列に並んでまで飲む、という熱量がなくなった。インスタに上げる文化が変わった。タピオカ店が乱立して希少感がなくなった。さらにコロナで外食自体が変わった。複数の要因が重なってブームが終わった。
でもタピオカ自体は今もコンビニに並んでいるし、専門店も残っている。ブームが去ったから消えたわけじゃなく、定番化した。熱狂が日常に変わった、という見方もできる。
この話が会話のタネとして使える理由
タピオカブームを知っている世代は幅広い。飲んだことがない人もほぼいない。共通体験がある話題に、知らなかった情報を渡せる。
体内に100粒残ったというインパクト
タピオカって消化されにくいらしくて、中国で体内に100粒残った子がいたらしいよ、という一言で場が動く。え、本当に?という反応が来て、よく噛まないでストローで吸い込む構造が原因という話につながる。あのブームの頃を振り返る流れになって、自分はどのくらい飲んでいたという話になる。懐かし話と健康の話が同時に出てくるタイプの話題は、テンポよく続く。
黒い色がカラメルだという話も出せる。謎の黒い物体だと思っていた人に、ただの着色だったという情報を渡すと、そうだったの、という反応になる。タピオカブームの全盛期に毎日飲んでいた人ほど、あの黒さについて考えたことがなかったという話が出てくる。

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