正しくチケットを取ったのに、入場口で止められた人がいる
ライブの入場口で、スタッフに声をかけられて列から外される。周りの視線が集まる。何も悪いことはしていないのに、なぜか自分だけ。
SNSにはこういう投稿が増えている。しかも、転売チケットを持っていた人ばかりではない。正規に購入したのに、思わぬ理由で弾かれた人がけっこういる。転売防止が厳しくなった結果、真面目にチケットを取った人まで巻き込まれている。
正規購入なのに弾かれる原因の3パターン
苗字の漢字一文字違いで入場を止められる事例は珍しくない。渡辺と渡邊、齋藤と斎藤の違い。チケット申込時に戸籍の漢字が入力できず別表記で登録したまま当日を迎えると申込名と免許証の漢字が一致せず弾かれる。
これが一番の落とし穴。渡辺と渡邊。斉藤と齋藤。旧字体の名字を持つ人は、申込フォームで正しい漢字が打てないことがある。仕方なく通常の漢字で登録する。でも身分証は戸籍の漢字。この不一致で止められる。
スタッフは申込名と身分証を一文字単位で照合する前提。漢字の表記揺れは現場で微妙な違いとは扱われず別名義として処理される。
微妙な違いだから大丈夫、は通用しない。現場のスタッフは一致するかしないかで判断する。旧姓のチケットで入場する場合も同じで、戸籍謄本や旧姓併記の住民票など同一人物だと証明できる追加書類が必要になる。
顔写真なしの身分証だけで来ると詰む
顔写真付きの身分証であれば1点で本人確認が完了するのに対し健康保険証や顔写真なしの学生証は2点以上の提示が前提。住民票・年金手帳も同じ扱い。1点だけ持参した来場者がその場で2点目を出せず入場を断られるケースが現場で繰り返されている。
保険証だけ持っていった。それだけでは足りなかった。顔写真なしの身分証は2点必要。しかも、公演によっては顔写真付き必須と明記されていることもある。
本人確認の厳しいライブでは顔写真付きの身分証運転免許証・マイナンバーカード・パスポートが必須と明記されている公演も存在する。この場合保険証や学生証を何点持参しても弾かれる扱い。
顔写真付き必須と書いてあったら、保険証を何枚持っていっても無駄。当選通知や購入ページの注意書きを読んでいるかどうかで結果が変わる。
ランダム確認でされやすい人の特徴
運営がランダムで確認する場合、何を見ているのか。
人数とチケット枚数が合わない集団
チケット上限が4枚なのに5人で集まっている、逆に2枚しかないのに3人で並んでいる。列のなかで人数と枚数が噛み合わない集団は現場で最も目を引きやすい違和感。
枚数と人数のズレ。これが一番目立つ。スタッフは列を見ながら、そういう違和感を探している。
会場の入口付近で待ち合わせをしていた人も視線に入りやすい立ち位置にある。駅から一緒なら友人同士、直前に売買した可能性が高いのは会場前合流の集団で列が動き始めると同行者同士の距離感や呼び方まで観察される。
会場前で合流する集団は疑われやすい。友人同士なら駅から一緒に来る。会場前で初めて会うのは、当日に売買した人の動きに見える。同行者同士の距離感や呼び方まで見られている。
転売サイトで座席番号が出回っていた場合
運営側は事前に転売されているチケットの番号を把握している場合もある。その番号のチケットを持っているとほぼ確実に確認される。
運営は転売サイトを監視している。出回った座席番号を控えている。その席に座っている人は、確実にチェックされる。転売で買ったチケットは、入場前からマークされている可能性がある。
振る舞いでは回避できないという事実
20人に1人確認すると内部で決まっているような運用では何をしてもその1人に当たれば確認される。ネット上で繰り返される、開演ギリギリに入場すればスルーされやすい、電話しながら入場すれば目立たない、堂々としていれば疑われないといった噂はこの確率ルールの前では効かない。
ネットに出回っている回避テクニックは意味がない。20人に1人という確率ルールで運用されていたら、どんな振る舞いをしてもその1人に当たる。堂々としていれば大丈夫、という噂も根拠がない。
デジタルチケットのランダムエラーというシステムもある。電子チケットのQRコードを入場時にかざす際、無作為にエラーが発生し、その場合本人確認が求められる。運任せ。対策のしようがない。
善意の譲渡でも名義が違えばアウト
2019年にチケット不正転売禁止法ができてから本人じゃないと入れませんというルールがどんどん強化されている。たとえタダでも善意の譲渡でも名義が違えば無効チケット扱いになってしまうことも。
定価で友人に譲った。無料であげた。それでも名義が違えば入れない可能性がある。法律ができてから、運営の対応が厳しくなった。
名義違いが発覚するとファンクラブの強制退会や今後の抽選停止、悪質と判断されれば法的措置につながることも。
入れないだけでは済まない。ファンクラブを退会させられる、今後当選しなくなる。行けなくなった友人からチケットを譲り受ける、という善意の行為が、両方にリスクを生む。どうしても譲りたいなら、公式リセールを使う。それが唯一の安全な方法。
この話が会話のタネになる理由
ライブに行く人は多い。本人確認の話は、行く前の不安として誰もが持っている。
漢字一文字で弾かれるという理不尽さ
渡辺と渡邊で弾かれることがあるらしいよ、という話をすると、え、そんなことで、という反応になる。正規購入なのに、システム上の理由で入れない。この理不尽さが話として引っかかる。旧字体の名字を持っている人は、他人事じゃない。
回避テクニックが全部無意味という話
ギリギリに入れば大丈夫、堂々としていれば疑われない、というネットの噂が、確率ルールの前では全部無意味という話は、ちょっとした笑いになる。みんなが信じている裏技が、実は何の効果もなかった。ホテルのチェックインやレジの通し忘れの記事と同じで、正しい知識があれば不安が減る。ライブに行く前の準備の話として、実用的で役に立つ会話になる。

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