プリンを作る直前に、こし器がないことに気づいた
卵液を混ぜ終わって、あとは濾すだけ、という段階でこし器がないことに気づいた。茶こしもない。ザルはあるけど目が粗い。このまま濾さずに焼いたら、ダマと気泡が残ってボソボソのプリンになる。
とりあえず引き出しを開けたら、キッチンペーパーとコーヒーフィルターがあった。これでいけるんじゃないか、と思ってやってみたら、ちゃんと濾せた。しかも仕上がりがなめらかだった。専用の道具がなくても、家にあるもので十分だった。
キッチンペーパーが一番使いやすい
キッチンペーパーは最も手軽に使える代用品のひとつ。ザルの上にキッチンペーパーを敷きその上からスープや出汁を注ぐだけで簡単に濾せる。二重に重ねると破れにくくなりより安定した濾し作業が可能。
ザルにキッチンペーパーを敷く。これが一番安定する。ペーパー単体だと形が保てないから、ザルが土台になる。二重にすると破れにくい。目が細かいから、出汁のアクも細かい削り節も、しっかり取れる。
ただし紙だから注意点がある。
キッチンペーパーやコーヒーフィルターなどの紙素材は濡れると破れやすくなる。そのため濾す前に一度軽く湿らせてから使うのがコツ。また液体を一気に注ぐと目詰まりを起こすため少量ずつゆっくり濾すのが理想。
先に軽く湿らせる。一気に注がない。この2点を守るだけで、破れる失敗が防げる。急いで注ぐと破れて全部台無しになる。焦らず、ゆっくり、少しずつ。
コーヒーフィルターは透明感を出したいときに強い
コーヒーフィルターは細かい繊維でできており繊細な濾し作業に向いている。特にスープの透明感を高めたいときや脂を取り除きたいときに便利。
コーヒーフィルターはキッチンペーパーより目が細かい。だから澄んだ仕上がりになる。コンソメスープを透明にしたい、出汁の濁りを取りたい、という場合はこっち。
面白いのが、コーヒーフィルターでお茶を淹れる方法。マグカップの上にコーヒードリッパーを置きそこにフィルターをセットする。茶葉をティースプーン1杯入れゆっくりと熱湯を注ぐ。茶こしよりコーヒーフィルターの方が細かい葉っぱが入らなくていい、という声もある。茶こしより優秀な場合がある、というのが面白い。
ティッシュとプラスチックザルは絶対にダメ
代用にはやってはいけないものがある。ここが一番大事。
ティッシュはお湯で溶ける
キッチンペーパーがないからティッシュでいいやという考えは今すぐ捨てる。ティッシュペーパーは水に溶けやすく作られているためお湯を注いだ瞬間にドロドロに溶けて破れる。
キッチンペーパーとティッシュは全然違う。ティッシュは水に溶けるように作られている。トイレに流せる設計。だから熱湯を注いだ瞬間に崩壊する。溶けたティッシュが料理に混ざる。大惨事。
見た目が似ているから代用できそうに思えるけど、素材の設計思想が真逆。片栗粉と小麦粉の記事と同じで、似ているものほど中身が違う。
プラスチックのザルに熱湯は危険
熱湯に弱いプラスチック製のザルや水で溶けてしまうティッシュペーパーを使うのは絶対にやめる。100円ショップなどで買えるカラフルなプラスチック製のザルでお茶をこそうとするのは本当に危険。熱湯100度をプラスチック製ザルに直接かけると耐熱温度を超えて変形や融解を引き起こす恐れがある。ザルがグニャッと曲がるだけでなくお茶の中にプラスチックの成分が溶け出してしまうかもしれない。
100均のカラフルなザル。あれに熱湯をかけるのは危ない。耐熱表示を確認していないプラスチック製品に沸騰したお湯を注ぐと、変形したり成分が溶け出したりする。熱いものを扱うときは、ステンレスか耐熱ガラスを使う。この判断だけは譲れない。
用途で使い分けると失敗しない
濾すのか、ふるうのか。目的が違えば道具も違う。
液体を濾すか、粉をふるうかで選ぶ
茶こしがない時は手元にある道具が水分を濾すのに向いているか粉を散らすのに向いているかで選び分けるのが正解。
液体を濾すなら、キッチンペーパー、コーヒーフィルター、ガーゼ。粉をふるうなら、味噌こし、目の細かいザル、粉ふるい。紙製品で粉をふるうことはできない。網目のあるものでしかふるえない。この区別を間違えると、うまくいかない。
味噌こしは茶こしに一番近い使い心地の代用品。目が細かくて深さもある。急須やポットにセットして使える。粉糖をふるうときにも使える。万能に近い道具で、持っている家庭は活用の幅が広い。
ガーゼやさらし布は繰り返し使える
清潔なガーゼやさらし布は何度も洗って繰り返し使える環境にやさしい選択。出汁取りやヨーグルトの水切りにも応用可能。布の目が細かいため滑らかな舌触りを実現できるのが大きなメリット。
ガーゼは繰り返し使える。使い捨ての紙より経済的。ただしお茶を濾すと色が付いて落ちにくい。専用にするか、不要なガーゼを使う。使う前は必ず洗濯して清潔にする。
水切りヨーグルトを作る場合はザルの上にキッチンペーパーを敷いてボウルで受ける構造を作る。その上にヨーグルトを置きラップをかけて数時間放置すれば余分な水分が下に落ちて濃厚なヨーグルトに変化する。
濾す道具は、水を切る道具でもある。水切りヨーグルト、豆腐の水抜き。同じ構造で全部できる。
この話が会話のタネになる理由
料理をする人なら、道具がなくて困った経験がある。代用の知恵は共有されやすい。
ティッシュで代用しようとした失敗談
キッチンペーパーがなくてティッシュ使おうとしたことある、という人は意外といる。溶けるよ、という話をすると、危なかった、という反応になる。似ているのに素材が全然違う、という話は、片栗粉と小麦粉、コチュジャンと豆板醤の記事と同じ構造。見た目で判断すると失敗する。
コーヒーフィルターが茶こしより優秀という逆転
茶こしよりコーヒーフィルターのほうが細かい茶葉を通さない、という話は面白い。専用道具より代用品のほうが優れている場合がある。代用は妥協ではなく、時には最適解になる。台所の困りごとから、道具の本質を考える話に広がっていく。折れた紙をアイロン以外で直す記事と同じで、身近な工夫の知恵は、誰かに教えたくなる。

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